ネットの闇 ~有害サイトから家族を守れ~(学校裏サイト風説#2.5号外) - 適宜覚書-Fragments

ネットの闇 ~有害サイトから家族を守れ~(学校裏サイト風説#2.5号外)

      2017/03/02

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本日放送の日経スペシャル ガイアの夜明け「ネットの闇 ~有害サイトから家族を守れ~」を見た。非常に見ごたえのある内容だったので週末掲載の学校裏サイト風説の号外としてメモしておく。

概論

  • 日本のネット普及率は仕事を含めると80%
  • 2007年携帯からのネット利用が6200万人(正確には6228万人)を超え、自宅からのPCでのネット利用(5711万人)を上回った。
  • 硫化水素の情報の広がりもきっかけはネットであった。
  • 携帯ネットの利用率は中学生56%、高校生95%

モバゲータウン(モバゲータウン/モバゲータウン - Wikipedia)

  • モバゲータウンは携帯を持つ若者なら知らないものはいない。通称、モバゲー。会員数は1000万人。その殆どは10代。100種類以上のゲームが無料で出来る。更に自分の日記を設置したり他人の日記、掲示板への書き込みも出来、ネットでの交流が楽しめる。
  • 九州の山間部に住む女子中学生の例。小学6年で携帯を買ってもらい翌年モバゲーに出会いはまった。本放送では中学2年。毎日2時間くらい。ネット上の友達40人程。モバゲータウン上で恋話(コイバナ)を行ったり、プライベートな話を書く。風呂に入る前にモバゲー、出てすぐモバゲーとハマっている
  • モバゲー上の男女の付き合いでモバ彼、モバ彼女という仮想空間だけの恋人を作ったりするが、個人情報は殆ど知らない
  • モバゲータウンの運営は東京渋谷にある(DeNA)ディー・エヌ・エー(株式会社ディー・エヌ・エー/株式会社ディー・エヌ・エー|会社情報)。創業8年で東証一部に上場。現在年商300億円。社長南場智子/なんばともこ(46歳)氏、ハーバード大学で経営学を学んだやり手(株式会社ディー・エヌ・エー|社長挨拶/南場智子 - Wikipedia)。モバゲータウンの立ち上げは2年前。社長も「全部分かっているわけではない。大人から見ると訳の分からないことをしているようだけど、若者はリアルな世界と同じように扱えるツール、世界を持っているということなんで」と話す。
  • モバゲータウン経由で起こった事件もある。2007年11月(報道は2007/12/21朝日新聞)青森県で女子高生が無職の男に絞殺された。出会いはモバゲー経由である。
  • 社長は「モバゲータウンが未成年の出会いの場であってはいけないと思う。サービス開始当初から出会いに繋がる行為、出会いを目的とする書き込みを一切禁止している。管理側として姿勢はクリアである。しかし、ルールを守らないユーザがいる」と言う。実際規約でモバゲータウン上での電話番号、メールアドレスの交換は規約で禁止されている。しかし、会話を偽装して隠語を使って交換を行う例が多い。モバゲータウン管理側ではサイト不正監視センターを設置、)で24時間365日日本最大規模の420人体制(4月から4倍の現体制。従って3月以前も100人程度だった模様)で監視しており発見毎に削除している。とはいえ、いたちごっこのようだ。
  • 隠語の例「わらわ***」は「090-****-****」の090。携帯のボタン表記。*1。「英雄」はメールアドレスでau経由、「やわらか銀行」は「ソフトバンク」を示す隠語。
  • 最近監視側で注視しているキーワードは、「硫化水素」である。頻繁に発見されている模様。「掲示板だけで1日に50件。数は少なくない」との社員弁。
関連書籍
モバゲータウン ガイドブック+アバターアイテム

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韓国ネット問題事情

  • ショッキングな例として、韓国南部で2008年4月ネットのアダルト動画を参考に小学生男子11人が小学生女子複数に対し集団レイプした事件が挙げられた(2008/5/1韓国日報)。元々は2007年11月に小学校で上級生が下級生をいじめていたのが発展してレイプにまで至った。
  • 韓国のインターネット絡みのサイバー犯罪は6年で2.5倍の増加。
  • 子供がネットにアクセスしたら即時その旨親の携帯電話あてに通知されるサービスがあり、普及してきている。携帯側からリモートで子供が操作しているPCの画面も取得したり、PCの遠隔強制終了も出来る。画面は証拠として保全も出来るようだ。使用しているのはHomeDoctor。他にもPC利用可能時間の設定、閲覧可能サイトのフィルタリングが出来る。例で出演した韓国人男性は「15歳以下の子どもがアダルトなど有害サイトを見るのは早いと思う。だからこそ親が規制している」とコメント。韓国では親による子供のネット利用監視が当たり前になりつつある。
  • ネット経由の誹謗中傷も韓国では深刻な問題となっている。ある韓国人男性は3年前1日10000件もの誹謗中傷の書き込みが押し寄せた。「あの野郎はクズだ」「あんな野郎は埋めて殺せ!」など暴言に留まらず、彼の個人情報も貼り付けられた。本人はあまりに酷い攻撃に自殺まで考えたと言う。この例では自殺を思い止まったが、同様の誹謗中傷を苦に自殺する例が多く発生している。
    • 悪意のコメントをつける"アクプラー" - 問題が深刻化する韓国の現状と対策 | ネット | マイコミジャーナル
    • 悪意のコメント「アクプル」が韓国で社会問題に | ネット | マイコミジャーナル
    • 悪意の書き込み「アクプル」、単純な好奇心といたずら心から - 韓国調査 | ネット | マイコミジャーナル
  • 韓国政府は2007年7月本人確認制度(ネット接続時に氏名と住民登録番号の提示を義務化)を制定した。問題が発生した際の解決手段として活用されている。年齢を問わず全国民が対象である。放送通信委員会のキム・ヨンジュ事務官は「インターネット上の表現の自由は保証している。この他にも導入すべきものがあれば今後検討する」とコメント。
    • 【レポート】規制でインターネットを変えられるか - 韓国で関連規制が多数適用 (1) アクプルの社会問題化 | ネット | マイコミジャーナル
    • "アクプル"撲滅なるか。韓国でインターネット実名制、本格的に施行 | ネット | マイコミジャーナル

学校裏サイト・プロフ

  • 陰湿ないじめの温床として大きな社会問題になっている。
  • 新潟市の女子高生の例。中学の頃学校裏サイトで標的にされた。援助交際をしていると嘘の書き込みをされた。「つらかった。みんな見ているからみんな思っているわけで…。違うと言っても信じてもらえない。居場所がないという感じで震えることはよくあった。」
  • 学校裏サイトとは、学校公式のサイトとは別に情報交換を目的に中高生らが作成したサイト。掲示板に匿名で書き込むことが出来る。そのため「死ね」「ウザい!」など酷い書き込みが並ぶこともある。実名を挙げての誹謗中傷、教師への憎悪も露わに出ている。事実と異なる書き込みによって陰湿ないじめの温床となることもある。文部科学省は、38000件の裏サイトを確認と発表。しかし専門家推定で30万件以上との推論もある。これは全国の中高等学校1校毎に20件のサイトがある計算になる。
  • 一方プロフも人気を博している。プロフとはプロフィールサイトの略で中高生など数百万人が利用しており、携帯電話で自己紹介ページを持つことが出来るサービスである。但し、第三者が成りきってプロフを作ることも出来、新たないじめの手段ともなっている。
  • 東京銀座にある全国Webカウンセリング協議会。年間3000件*2の相談が寄せられている。理事長安川雅史氏(安川雅史 Official Website)が相談を受ける場面。「一か月前から携帯に卑猥なメールが届く。家の周りで変な人がうろうろしている気がして不安」との相談。プロフィールサイトに無断で掲載されている可能性がある。情報ソースがどこにあるのか確認するため、被害者にメールへの返信として「どこで自分の情報を得たか?」と質問を投げるようアドバイス。すると「ここで見た」というサイト情報を得ることが出来、案の定それはプロフィールサイトだった。安川氏はあだ名や年齢でサイト内を検索し、該当の書き込みを発見した。誕生日や血液型など詳細の情報に加え「JK3だよ。いつでもカルク佐保お願いしまぁす」(=女子高生3年生だよ。いつでも軽くサポート(援助交際)お願いします)と援助交際希望者にされていた。安川氏はメールでサイト管理者に書き込み削除を依頼、メール送信から15分で該当書き込みは削除された。

隠語の類例

また、本人になりすましてプロフィールサイト(プロフ)を立ち上げ、「苺佐保(イチゴサポート=1万5000円で売春します)」や「WU吉(福沢諭吉2枚=2万円で売春します)」などの隠語を書き込み、なりすまされた本人が、あたかも援助交際しているかのように . ...

人気のあるブログの秘密 | プロフィールサイト 苺佐保

  • 安川氏は言う「大人の知らない世界の中で子どもがやりたい放題やっているのが今の状況ですね。大人たちが全くついていけないから野放し状態になっている。」
  • 危機感を抱いた学校関係者が安川氏に助けを求めに来る。そこではこのようなことが語られていた。「「なりすまし」メールというものがある。この場でみなさんのメールアドレスを勝手に使って、全然別の人にメールを送ることが出来る。この携帯のメールアドレスなんて使う必要はない。クラス全員のメールアドレスを1人の男の子が知っている。そしてその子がクラス全員のメールアドレスを使って気に入らない子に5分置きにメールを送る。キモイ、5分経ったらウザイ、更に5分経ったら学校もう来るな、死ね等。送られた方はクラス全員から嫌われている、もう学校なんて行けないと思い不登校になってしまったりする。」実例を元にネットの怖さを語る。「裏サイトをそのまま放置しておいたら無くなるなんて思わないでください。放置するということはそのままの状態で残る可能性が高いということ。本人が見なくてもだれが見るか分からない。」
  • 多くの教師は知らないことばかりだった。「ショックです。放置していた大人が悪いんでしょうけども…。子どもの方が進んでいる」「私たちと子どもの認識の差がすごく大きい。というか全くついていっていないというのが現実なんだと思う」との反応。
  • 日本では法規制すべきとの立場と自主規制で対処するという立場が対立している。
  • 規制派の中心メンバーが自民党の高市早苗議員。有害の基準を国が決定しフィルタリング(接続規制)し、有害サイトには子どもが一切入れなくすることを義務付ける。違反した業者には罰則を科す。高市議員は語る「私どもの法案では18歳未満の使用する携帯電話には最初からフィルタリング(規制)がかかっています。そしてこれは親が外せないということに致しました。」
  • この規制案に対し真っ向から反対の立場を唱えるのは、自主規制を訴えるYahoo!やMicrosoft、楽天などのネット業界大手企業。「ごく一部で発生している問題に対処するために規制全般でありとあらゆる関連事業者にしわ寄せを寄せてしまったというところが問題」と反対派は言う。規制が厳しすぎると業全体界が委縮して不況に陥ってしまうと言う。
  • その他経済産業省、総務省、民主党などからもそれぞれのネット規制案が飛び出し、規制の方向は混沌とした状況になっている。規制の決定までにはまだまだ時間がかかりそうである。
  • 熊本県南小国町(人口4700人)の例。南小国中学校では最近生徒たちの生活習慣に異変が起きていた。先生は言う「携帯が原因でトラブルになったり、遅くまでやっていて体調不良で午前中休むこともある」1月の調査では1日に50通以上メールする子もいることが分かった*3
  • 教頭の桑崎剛先生はこうした事態を重く受け止めていた。「うちなんかは都市部から離れた山間の学校なんですけど…実際上はこれに関してはあんまり都市部と差異は無いのかな…と。」桑崎先生は生徒の利用しそうなサイトを自ら携帯電話でチェックする。そこには驚くべき書き込みがあった。「エッチな話題ばっかりで…まずいですよね。」
  • 桑崎先生は3年生を対象に携帯電話の特別授業を開いた。「こんなに学校裏サイトがある。ちょっと読み上げるにはまずい内容がいっぱい書いてある」と実際の画面をプロジェクタで大画面に映してネットの危険性を説明する。その上で携帯を持つ目的やルールを生徒に考えさせ、独自の誓約書に書き込ませた。「ねえ、何で携帯を持つのかな?この誓約書を家の人が見た時に、「お前よく考えているな、こんなしっかり考えているなら携帯持ってもいいよ」とそれだけ大人になっていることを示すためのものなので真剣に書くように」
  • 授業を受けた生徒(まだ携帯を持っていない)は、目的の欄にネットをするためと書き込んだ。「いますぐにでも欲しいです」と言う。その夜早速父親に宣誓書を見せて授業で学んだことを説明した。「変なサイトがあるということを勉強すれば、ちゃんとした使い方が出来るから」と伝えたところ、父親は「でも裏サイトやら問題があるだろう。みんなからウザイとか死ねとかメールされたり書き込みされたらどうする?」と質問をする。生徒は「されたら仕返しする」と答えた。あまりに素直な答えに父親は苦笑しつつ「仕返ししたらいかん。困ったことをされたら誰かに相談しないと」言うのがやっとだった。インタビュアーに向かって父親は言う「こういう子どもと話す機会がなかなか無いんですよね。ちゃんとこの子が判断できるのか、それが良いか悪いか決めるのが親の責任かなと思うんですね。」
  • 桑崎先生は「携帯はおもちゃじゃありません。便利な情報ツールです。それゆえ使い方ひとつですごいプラスにもすごいマイナスにも両方ともなる。こういう教育は始まったばかりで学校としてこれからどうするかが課題」と言った。教育現場の手探りは続く。

学校裏サイト風説目次

*1:昔懐かしのみかか=NTTみたいなもの

*2:少ないね

*3:画面のグラフ資料では3件だけだったけど

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